カントⅩ

分類 現代美術
分類No. 1-P-16
種別 版画
収蔵年度 昭和59
作家名 バーネット・ニューマン
作家名 ふりがな ばーねっと にゅーまん
作家名 English NEWMAN, Barnett
作品名 カントⅩ
作品名 ふりがな かんとⅩ
作品名 English Canto Ⅹ
制作年 和暦 昭和39
制作年 西暦 1964
(各)
縦 (cm)
横 (cm)
奥行 (cm)
材質・技法・形状 リトグラフ・紙
員数
備考 37.0×33.0 45.3×37.3(縦×横)
出品展
文化財等指定
寄贈品
作品解説

1963-64年に、タチアナ・グロスマンの主宰する版画工房ユニヴァーサル・リミティッド・アート・エディションズ(ULAE)で制作した18点の「カント(詩篇)」シリーズの中の作品である。「カントⅣ」は黒字の四角形の中央を黒い線が垂直に走り、「カントⅩ」は左右対称で、左に橙、右に深緑の色面が広がる。因みに「カントⅩ」から「カントXIII」の4点は、黄版と青版を刷る順番を変化させたもので、作者はそれを愛情を込めて「四季」と呼んでいる。

ニューマンの作品は、通常、巨大なカンヴァス全体に単色の色面が均一に広がり、ジップと呼ばれる色の帯が、その色面を垂直に仕切る。このジップはまるで無限の彼方から差し込む一条の光のように画面に生気を与え、色面の広がりをより強調する。ところがリトグラフでは画面の周囲に余白が残る。そこでニューマンは、余白に囲まれた画面の中で、このジップが窓を仕切る桟のように見えないだろうかと懸念した。

しかし、ニューマンの作品を見れば、それがいかに杞憂だったことが分かる。彼の版画はサイズは小さいが、それは自己完結した閉ざされた空間ではない。リトグラフで刷られた色面は、紙の上で静かに息づき、目に見えない色彩の粒子を周囲に拡散するかのような無限の広がりを感じさせる。壁画サイズの絵画のように、漠然と広がる色面によって見る者を包み込むような身体感覚は伴わないが、彼の版画は大型の絵画に劣らぬ力強さを秘めている。