分類 | 現代美術 |
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分類No. | 2-P-39 |
種別 | 版画 |
収蔵年度 | 平成6 |
作家名 | 筆塚 稔尚 |
作家名 ふりがな | ふでづか としひさ |
作家名 English | FUDEZUKA, Toshihisa |
作品名 | Multiple Resonance-3 |
作品名 ふりがな | まるちぷる りそーなんす-3 |
作品名 English | Multiple Resonance-3 |
制作年 和暦 | 平成5 |
制作年 西暦 | 1993 |
(各) | |
縦 (cm) | 39.0 |
横 (cm) | 92.0 |
奥行 (cm) | |
材質・技法・形状 | 木板(インタリオ、スクリーンプリント、3版別)・楮紙 |
員数 | |
備考 | |
出品展 | |
文化財等指定 | |
寄贈品 | |
作品解説 |
人気のない荒涼とした風景の所々に、何かの標識のような細長い棒が垂直に突き刺さり、地面にくっきりと影を落としている。その間を浮遊するのは、竜巻か銅線のコイルか。現代人の心に潜む孤独や不安感を写し出すような寂寞とした景色である。 筆塚は80年代半ばに、自転車の車輪がうずたかく積まれた光景をビュランで彫った大型銅版画を発表して、鮮烈なデビューを飾った。しかしその後具象的なイメージは消え、何かを象るのではなく、それ自体のリズムと動きをもった線を追求し、この作品に見られるような渦巻き状の曲線をトレード・マークのように画面の中に登場させるようになる。 またカナダ留学中に、銅版用の版材の入手が困難だったので、壁材用のハードボードを利用して、木版用の彫刻刀でビュランのような線を出すのに成功したのがきっかけで、以来木版と銅版を併用するようになった。さらに筆塚は様々な技法上の実験を重ね、多彩な表情をもつマチエールや微妙に変化する色調を作り出している。 この作品は紙の裏側に刷る「裏刷り」という技法を採用している。このため裏面のインクが和紙の目を通して仄かに透けて見え、黒い大地に雪がうっすらと降り積もったような柔らかな雰囲気を醸し出し、表に刷られた力強い硬質な渦巻きと対照を成している。 |