2017年2月4日 | ~ | 2017年3月26日 |
Walter Crane and Illustrated Books in 19th Century
ウォルター・クレイン(Walter Crane 1845-1915)は、19世紀後半にイギリスで活躍し、現代の絵本の基礎を築いた重要な画家として知られています。 1845年、画家の息子としてリバプールに生まれたクレインは、13歳の時、木口木版の工房に入り、そこでデッサンの基礎を学びます。その後クレインは、多色刷木口木版の技術を開発した彫版師・摺師のエドマンド・エヴァンズにその才能を見いだされ、二人は1865年に全頁カラー刷りのトイ・ブック(8-12頁ほどの簡易なつくりの絵本)を生み出します。それまで絵本のカラー印刷は表紙に限られ、なかの挿絵ページは手彩色でしたので、これは画期的な出来事でした。以来、クレインはエヴァンズとともに、絵本のヒット作品を次々と世に送り、一躍有名になります。 1877年以降、クレインはトイ・ブックの仕事から手を引きますが、生涯、子ども向け・大人向けの挿絵の分野で数々の傑作を生み出します。その一方で、壁紙、テキスタイル、室内装飾などのデザイナーとして、またアーツ・アンド・クラフツ運動の推進者、社会主義活動家、装飾芸術の理論家、教育者、画家として多方面で活躍しました。 本展は、本の仕事を中心に、クレインの芸術を本格的に紹介する日本で初めての展覧会で、クレインのほぼすべての絵本と主要な挿絵本を網羅する約140点の作品を展観します。またクレインとともに絵本の黄金時代を築いた画家グリーナウェイとコールデコットの作品約40点もあわせて展示し、ヴィクトリア朝のイギリスで華麗な花を咲かせた挿絵本の世界をご堪能いただきます。
チラシのダウンロードは こちら |
![]() ![]() |
会 期 |
平成29年2月4日(土)〜3月26日(日) ※会期中一部展示替えがあります。 |
---|---|
休 館 日 | 月曜日(ただし3月20日(月・祝)は開館、翌3月21日(火)は休館) |
観 覧 料 |
一般 1000円(800円)/ 高大生 650円(500円)/ 小中生 450円(350円) ローソンチケットでお買い求めの前売券は、当館総合受付(チケットカウンター)にて観覧券とお引き換えください。Lコード55668 前売券販売箇所のご案内はこちら ※身体障害者手帳等をお持ちの方は、常設展・企画展とも観覧料は無料です。 |
主 催 | 滋賀県立近代美術館、京都新聞、BBCびわ湖放送 |
後 援 |
滋賀県教育委員会 |
企画協力 | マンゴスティン |
関連事業 |
■記念講演会 「ウォルター・クレインの絵本 -ヴィクトリア時代に現代の絵本の源流をたどる-」 日時:2月12日(日)13:30~ 講師:正置友子氏(絵本学研究所主宰) 会場:当館講堂(入場無料) 定員:180名(先着順)
■記念コンサート 「ウォルター・クレインに寄せて 〜マザーグースからオペラまで〜」 日時:3月12日(日)14:00〜15:00 *当日12:30より整理券を配布します。 出演:栗原未和(ソプラノ)、二塚直紀(テノール)、二塚裕美(ピアノ) 会場:当館講堂(入場無料) 定員:150名 曲目:「6ペンスの唄をうたおう」「ヘイ・ディドル・ディドル」、 ニコライ『ウィンザーの陽気な女房たち』より「フェントンのアリア」等
■ギャラリートーク 展覧会会場において、作品解説をおこないます。 *申込不要 日時:2月5日(日)、2月19日(日)13:00~13:45 講師:正置友子氏(絵本学研究所主宰) 日時:2月11日(土・祝)、2月25日(土)13:00〜13:45 講師:当館学芸員 参加費:無料(要観覧券)
■たいけんびじゅつかん 「ドライポイントで風景の絵本をつくろう!」(事前申込制) 日時:2月26日(日)11:00~16:00 定員:20名 材料費:一人500円 申込締切:2月13日(月)必着 「ミニチュア・ツリーハウスをつくろう」(事前申込制) 日時:3月18日(土)11:30~16:00 定員:30名 材料費:一人300円 申込締切:3月6日(月)必着 *往復ハガキまたはホームページによる申込制 *対象:小中学生とその保護者(お子さまと保護者一緒にお申し込みください。) *定員を超えた場合は抽選となります。 *大人の方は観覧券(団体料金800円)が必要です。
■大人のワークショップ 「銅版画でサーカスをつくろう!」(事前申込制) 日時:2月18日(土)11:00〜14:30 講師:舟田潤子氏(銅版画家) 定員:15名 材料費:2000円 申込締切:2月6日(月)必着 *往復ハガキまたはホームページによる申込制 *対象:高校生以上 *定員を超えた場合は抽選となります。 |
(図版1)
ウォルター・クレイン(絵)『美女と野獣』1874年
(図版2)
ウォルター・クレイン(絵)『眠り姫』1876年
(図版3)
ウォルター・クレイン(絵)『幼子のオペラ』より「桑の木をまわろう」1877年 中央大学図書館
(図版4)
ウォルター・クレイン(絵・詩)『フローラの響宴』1889年