1998年5月16日 | ~ | 1998年6月28日 |
ホテル・結婚式場として有名な東京の目黒雅叙園(めぐろがじょうえん)は、昭和初期を中心とした近代日本画の優れたコレクションを所蔵していることでも知られている。このコレクションは、雅叙園創業者の細川力蔵氏が目黒雅叙園建設の際に、当時の一流日本画家たちに製作を依頼した、建築内部の装飾画作品がもとになっており、当時は広大な建物の随所に絢爛たる作品が飾られ「昭和の竜宮城」と称された。残念ながら作品の一部は戦災で消失してしまったが、現在は目黒雅叙園美術館が作品の管理と収集を続けており、その収集作品数は4千点を数え、昭和初期の日本画の収集としては国内屈指の規模と質を誇っている。 本展は目黒雅叙園美術館の協力を得て、同館の所蔵作品の中から、自然に対する日本人の伝統的な美意識である「雪・月・花」をテーマにした作品、60点を厳選して展示したものである。鏑木清方、伊東深水、酒井三良らよく知られた巨匠たちの作品だけでなく、不幸にして世に知られざる昭和初期の日本画家たちの作品もまとめて見ることができる、絶好の機会となった。また併せて、同館の所蔵品の中から滋賀県ゆかりの日本画家たち4人の作品12点を、特別展示として公開した。 |
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主 催 | 滋賀県立近代美術館、京都新聞社 |
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協 力 | 目黒雅叙園美術館 |
会 場 | 企画展示室1・2 |
観覧者数 | 9,629人 (一日平均 253人、一日最高 612人) |
関連行事 | ○講演会 「目黒雅叙園 その歴史と絵画コレクション-日本画の俊英たち」 平成10年5月24日(日) 於:講堂 講師:森友三雄(目黒雅叙園美術館部長) ○日曜美術鑑賞会 平成10年5月31日(日) 於:講堂 講師:平田健生(当館学芸員) |
図 録 (共通版) |
296×220mm、152ぺージ(カラー作品図版70点) 監修:目黒雅叙園美術館 編集:ニューカラー写真印刷株式会社 内容:○論文:「近代日本画名作展 -雪・月・花」 猪巻明(秋田大学教授) ○作家・作品解説 ○紹介文:「目黒雅叙園-その歴史と絵画コレクション」 森友三雄(目黒雅叙園美術館部長) |
別冊パンフレット | 「目黒雅叙園美術館所蔵滋賀県ゆかりの画家の作品」 296×210mm、12ぺ一ジ(カラー作品図版12点) 編集・発行:滋賀県立近代美術館 内容:作家解説、日本画豆知識 |
新聞関連記事 | 京都新聞 平成10年5月11日(朝刊) 「雪・月・花 -随所に埋み火のような情念」(カラー写真5点) 平成10年6月6日(朝刊) 展評 (山) |
本会場のみの追加出品作品 | ||||||
No. | 作者名 | 作品名 | 制作年 | 材質・技法 | 寸法(縦×横) | 出品展 |
1 | 野添 平米 | 紅葉・懸巣 | 昭和14(1939)年 | 紙本彩色 | 142×222cm | |
2 | 〃 | 日輪・松葉 | 〃 | 〃 | 142×222cm | |
3 | 〃 | 大松樹 | 〃 | 〃 | 154×183.9cm | |
4 | 〃 | 枝松・笹・梅 | 〃 | 〃 | 154×183.9cm | |
5 | 〃 | 大岩・枝松・梅・笹 | 〃 | 〃 | 154×183.9cm | |
6 | 〃 | 風景・赤松 | 〃 | 〃 | 154×276.1cm | |
7 | 〃 | 風景・滝 | 〃 | 〃 | 154×276.1cm | |
8 | 野村 文挙 | 雪の松島図 | 制作年不詳 | 絹本彩色 | 151×357cm | |
9 | 〃 | 春山水 | 〃 | 〃 | 151×357cm | |
10 | 斎藤 紫山 | 薫風 | 昭和9(1934)年 | 〃 | 180×200cm | 第15回帝展 |
11 | 上田 道三 | 水路 | 昭和14(1939)年 | 紙本彩色 | 167×93cm | |
12 | 〃 | 海村 | 昭和15(1940)年 | 〃 | 113×285cm | 中村大三郎畫塾創立7周年記念展 |