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2002夏休み
教育普及イベントレポート

(平成14年12月・第73号掲載記事)

主任学芸員 平田健生


 当館では毎年夏休みに、ボランティアスタッフの協力のもと、様々な教育普及イベントを開いています。今年度は美術館友の会との共催で、3種類の「アート・ゲーム」のイベントを実施いたしました。なお、アート・ゲーム(1980年代のアメリカで開発された、ゲームを通して作品鑑賞のノウハウを身につける教育プログラム)に興味のある方は、「滋賀近美ボランティアのホームページ」に詳しい紹介が掲載してありますので、ぜひご覧下さい。
 http://www.biwa.ne.jp/~artvolun/

世界一周!アートの大冒険 7月20日(土)、21日(日)の2回実施した小学校低・中学年向けの『世界一周!アートの大冒険』は、世界一周の旅をヴァーチャルに楽しみながら、そこで出会った世界各地の芸術作品を題材にアート・ゲームを楽しむというイベント。子供たちは、世界のアートを収集する使命を帯びたアート博士の助手と一緒に、スクリーンに次々と映し出される世界各地の風景・風俗やBGMを楽しみ、そこで出会う様々な登場人物の依頼に応えながら、全部で8種類のアート・ゲームを体験しました。例えばインドでは、踊るマハラジャさんと共にジェスチャーゲームを行い、イギリスではシャーロック・ホームズと共に推理ゲームを、タヒチではゴーギャンの絵を探し出すゲームを実施しました。またインカではナスカの地上絵に負けないようなアース・ワークのアイディアを皆で考えたりもしました。イベントの終了後はスタッフの引率で常設展示室の見学を行い、お土産として、アフリカでピカソと一緒に行った「福笑い」の作品を下敷きに加工したものを持ち帰ってもらいました。

こちらアート探偵局 8月4日(日)に実施した『こちらアート探偵局』は、当初の計画では3日と4日の2日連続で、小学校中学年および中学生を対象に実施する予定でした。けれども2日連続というのが嫌われたのか、参加希望者が極端に少なかったため、急遽8月4日のみで実施することとなりました。
 イベントの内容は、アート探偵局の見習い探偵になった子どもたちが、一人前のアート探偵になることを目指して6種類の課題をクリアーするというもの。例えば『メッセージを読み取れ』では、絵をよく見て絵画の登場人物にふさわしいセリフを付け、『モンタージュ作戦』では局長が語るある作品の説明を聞いて、どんな絵なのか想像で描いてもらいました。『容疑者の素性を暴け』では肖像画を観察してモデルの素性や性格を読み解き、『人生プロファイリング』では局長が語るある画家の生涯を聞いて、彼の作品を制作順に並び替えました。最後の『事件簿を回収せよ』では作品を絵札に見立てたカルタ取りを行い、子供たちに詠み札作りも行ってもらいました。ほとんどが今回初めて実施した新ゲームであり、スタッフも新鮮な気持ちで取り組むことができました。

探偵アートスクープ! 特別編 8月25日(日)に実施した大人向けイベント『探偵アートスクープ! 特別編』は、昨年、一昨年と実施した、全国的にも珍しい作品鑑賞ワークショップのパワーアップ版です。タイトルになっている「探偵アートスクープ!」とは、スタッフを含む数名の参加者でチームを組み、あらかじめ渡された「探偵依頼書」に基づいて展示中の作品を愉快におしゃべりしながら観察調査し、その結果を皆の前で公表してもらうというもの。コミュニケーションを重視した作品鑑賞の試みです。今回のイベントはそれに、4日の子供向けイベントで好評だった「セリフ付けゲーム」「肖像画のモデルを読み取るゲーム」「カルタ作り」の3種のアート・ゲームを加えて、ことばを介した鑑賞をより深く掘り下げてみました。ただ、大人は子供たちに比べて、自分の感想や見解を人に話すのが不慣れであるのか、子供向けイベントほどの盛り上がりには欠けたようです。

 今回はスタッフの入れ代わり時期ということもあって、実施ノウハウが蓄積されているアート・ゲームを集中的に実施しましたが、参加者のアンケートをみると作品制作ワークショップの希望も多く、来年度以降はまた新しい展開で臨もうと考えています。





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