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2000夏休み
教育普及イベントレポート

(平成12年12月・第65号掲載記事)

主任学芸員 平田健生


 当館では毎年夏休みに、ボランティアスタッフの協力のもと、様々な教育普及イベントを開いています。今年度は、小中学生むけの『びっくり!アート・ゲーム』と『ゆけゆけ!フシギ探検隊』、そして大人向けの『美術と楽しくつきあうには?』の3種類のイベントを、美術館友の会との共催で実施いたしました。

びっくり!アートゲーム 7月26日(水)、27日(木)、28日(金)の3回実施した『びっくり!アートゲーム』は、既に当館のお家芸となった観もある、アートゲーム(米国で開発された、ゲームを通して作品鑑賞のテクニックを身につける教育プログラム)のイベント。昨年実施した同種のイベントを下敷きにして、ゲームの数を5つに絞り、個々の内容を濃くしました。
 実施したゲームは、
 (1)名画の登場人物たちとのジャンケンゲーム。
 (2)2枚の作品カードの共通点を見つけるマッチングゲーム。
 (3)代表者が見ている図版を、他のメンバーが○×で答えられる質問を浴びせて当てる○×ゲーム。
 (4)提示された図版をよく観察して物語を作るゲーム。
 (5)ランダムに取りだした3枚のカードを使ってショートストーリーを作るゲーム。
の5種類。どれも安心して実施できる、定番のイベントです。ただ残念だったのは、今年の新たな展開として“親子で参加できるアートゲーム”を29日(土)に予定していたものの、申込みが極端に少なくて結局中止になったことでした。

ゆけゆけ!フシギ探検隊 7月30日(日)、8月5日(土)、6日(日)の3回実施した『ゆけゆけ!フシギ探検隊』は、ボランティアスタッフたちが4月から延べ10回もの会議を開いて練り上げていった、文字通り手作りのイベントです。ちょうど夏休みに開催中の、美術入門編の展覧会『冒険美術4−夢でオドロキ!』のテーマである“夢”を活かそうというかたちで検討を重ねた結果、グループに分かれて館内を回り、5種類の“知覚の不思議体験”をするという「ミュージアム・オリエンテーリング」のイベントとして実施することに決定しました。
 5種類の体験とは、
 (1)さまざまな物体が入ったブラックボックスに裸足の足を入れ、感触を言葉で表現してもらう。
 (2)超巨大なシャボン玉をつくる。
 (3)鏡で天井を見ながら歩き回る(途中天井に仕掛けあり)。
 (4)真っ暗な通路をロープをつたって歩き、四方から聞こえてくる様々な音をチェックする。
 (5)暗い部屋に置かれた物体に懐中電灯の光を当て、浮かび上がる影が何のかたちなのか当てる。
というもの。それぞれの体験をクリアーすると、その体験に関連したアイテムがもらえます。また、館内には「ユ」「メ」「の」「せ」「か」「い」という6つの文字が巧妙に隠されており、それを見つけ出すことも、館内探検のもうひとつの目的となっていました。6つの文字をすべて集めると、最後のアイテムである、「水のまんげきょうのつくりかた」というパンフレットがもらえるのです。
 館内を回ってすべてのアイテムを集めてきた子供たちは、それらを組み合わせて水の万華鏡(水を詰めたガラス瓶の中をビーズやスパンコールがゆるやかに落ちてくるのを覗く万華鏡)を作りました。同じように作っても万華鏡の中身は人によって違うので、お互いの作品を取り替えての見せ合いっこがあちこちで広まりました。4歳の幼児から中学生まで一緒になって楽しめた、結果的に見て非常に満足のゆくイベントでした。

美術と楽しくつきあうには? 8月27日(日)に実施した唯一の大人向けイベント『美術と楽しくつきあうには?』では、「来館者どうしのコミュニケーションを通して作品鑑賞を深めてゆく」をテーマに、アートゲームやフリートークなどの様々な試みを行いました。中でもメインとなったのが、某テレビ番組にヒントを得た『探偵アートスクープ!』です。これはスタッフ1名、参加者2名の3名でチームを組み、ランダムで渡される「探偵依頼書」に基づいて作品を調査し、その結果を皆の前で公表するというイベント。と言っても決して難しい作業ではなく、マヌケな口調で書かれた依頼書を大笑いで読み、チームで愉快におしゃべりしながら作品を観察し、その背後にあるものを想像するという楽しい内容のものでした。どの参加者からも非常に好評をいただいたので、今後の定番イベントとなる感触を感じさせました。





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