当館は毎年夏休みに美術館友の会との共催で、ボランティアスタッフの協力のもと、子供向けの教育普及イベントを実施しています。今年は夏休みの企画展『アンデルセン生誕200年展』と常設展『もじもじおしゃべりアートのこえ』に対応するかたちで、“文字・言葉・物語”というテーマを持った2種類のイベントを開催いたしました。
8月3日(水)と8月4日(木)の2回に渡って開催した『美術館ミステリー:ちらばったメッセージ』は、当館では3年ぶりの開催となるミュージアム・オリエンテーリング(美術館探検)。探偵に扮した子どもたちがチームを組んで、パンダの泥棒“怪盗ルパンダ”がバラバラにして美術館内に隠した、財宝のありかを示す暗号(8つの文字)を集めて回るという、五感を活用した推理と探検のゲームです。4つのチームに分かれた子どもたちは、リーダーや地図係、記録係など役割を決め、知恵をしぼり協力し合いながら、ガラスの扉を重ねると浮かび上がる文字や、小高いところに登って初めて見える文字、チェックポイントの位置を美術館の地図上にプロットしてゆくと地図の上に浮かび上がる文字など、趣向を凝らして隠された8つの文字を集めて回りました。集めた文字を正しい順序に組み直したら、ようやく宝物のありかが判明します。宝物とは何と!
アンデルセンが得意としたという「切り絵」の極意でした。両面で色の異なる折り紙を小さくたたんでハサミで切り抜くことによって、雪の結晶やお花のかたちなどの、様々な切り絵が作れます。気に入った切り絵はラミネートフォルムで加工して、下敷きにして持ち帰れます。
子どもたちは競い合うようにして凝りに凝った切り絵を作り、得意満面で下敷きを完成させました。
もう一つのイベントは、8月6日(土)と7日(日)に開催した『世界でいちばんすてきなお話』。アートゲーム(遊びながら作品鑑賞のテクニックを身につける教育プログラム)の中の『お話作りゲーム』を大幅に拡張したもので、古今東西のいろんな芸術作品の絵はがき大複製図版を組み合わせ、自由な想像力と創造力でオリジナルのストーリーを作るというイベントです。とはいえ、いきなり長いストーリーを作るのは難しいもの。そこで今回はファンタジー物語の創作に限定し、童話や昔話のプロットを分析して幾つかの共通要素を取り出して、王様・お姫様・賢者・モンスターといったキャラクターや、財宝・魔法・旅の道・トラブルといったシチュエーション別に図版を8種類ずつ用意し、その中から好きなものを選んでゆくことによって自然に物語が紡ぎ出せるよう工夫しました。自分で選択するだけでなく、大きな8面体サイコロを振って偶然で図版を選んだり、回すと神託の入ったカプセルが出てくるガシャポンマシーンを使うなど、ゲーム的な要素も積極的に取り入れています。子どもたちは選んだ図版を大きな紙の上に並べ、好きなようにストーリーを書き入れてゆきます。お話しが完成したら、みんなの前で披露してもらいます。冒険あり、ユーモアあり、涙ありのいろんなお話が次々と誕生しました。