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過去の企画展より(広報用資料)

所蔵品が語る 6 つ の 物 語

6 Stories Revealed by the Collection

2002年5月25日(土) 〜 7月7日(日)


チラシ概 要/
 作品をただ並べておくだけでは、美術館らしい展示とは言えません。学芸員が研究の成果を伝えるために、はっきりした主義主張を持って作品を選別し、巧みに趣向を凝らして陳列してこそ、美術館らしい展示になると言えましょう。通常、美術館のコレクションは常設展示室で陳列されています。しかしスペース的な問題があったり、来館者の多様な志向に合わせた総花的な展示が求められたりするなど、学芸員の主張を十分に反映させた作品展示を行うことはなかなか出来ないのが現状です。
 そこで、企画展仕立てで館蔵品を公開する「拡大常設展」がクローズアップされてきます。会期を限った企画展の形式であれば、実験的で意欲的な試みが可能であり、広報も通常の常設展以上に行うことができます。ただ、一人の学芸員の見解だけを前面に出して拡大常設展を組み上げると、あまりにマニアックすぎて観客層を限定してしまったり、観客の期待している館蔵名品が充分に展示されなかったりするなど、様々な問題が起こり得ます。そこで近年注目されているのが、企画展示室を幾つものコーナーに分け、各コーナーを学芸員が一人づつ担当して展示を組み上げるというスタイルです。この方法であれば、各コーナーをマニアックに掘り下げながらも、全体として総花的に館蔵品を見せることができ、様々な観客のニーズに応えることが可能です。
 今回の「所蔵品が語る6つの物語」展は、当館が初めて開催する、このタイプの拡大常設展です。6人の学芸員(シェフ)がそれぞれ腕をふるった料理がフルコースで提供される本展は、美術グルメの方々にも十二分にご堪能いただけることでしょう。

なんと、本展の図録は豪華CD-ROM付き!!
 本展の図録には、付録としてもれなく Windows&Macintosh 両対応のCD-ROMがついてきます。その内容は、図録をオールカラーで完全掲載しただけでなく、CD-ROMならではのおまけ(?)まで収録してあります。本展でしか手に入らないこのレアアイテム、気になる方はお早めに購入されることをお勧めいたします。

 CD-ROMの見本を除いてみたい方はこちらをどうぞ。一部サンプルが閲覧できます。


会 期/ 2002年 5月25日(土) − 7月7日(日)  32日間開催  月曜日休館

開館時間/ 午前9時30分 〜 午後5時(入場は4時30分まで)

会 場/ 滋賀県立近代美術館 企画展示室
     〒520-2122 滋賀県大津市瀬田南大萱町1740−1  Tel 077-543-2111(代)

主 催/ 滋賀県立近代美術館

観覧料/ 一 般 600円(500円)
     高大生 500円(400円)
     小中生 300円(250円)  ( )内は前売および20名以上の団体料金

会期中の催し/
 日曜美術鑑賞会(展示品解説)
   6月16日(日) 午後2時〜
   講師:当館学芸員   会場:講堂   入場無料
 映画上映会
   6月9日(日)  「岡倉天心のこころ」43分、 「横山大観・その心とかたち」30分
   6月23日(日) 「ニューヨーク派」55分、 「アメリカン・アート1960年代」57分
   7月7日(日)  「近代彫刻の巨匠たち」第1部〜第3部 各60分
    いずれも午後1時〜   会場:講堂   入場無料

6つの物語の内容/
 1. 楽園天国

古今東西を問わず、楽園をテーマにした美術作品は、見る者に安らぎと喜びの感情をもたらします。しかし何をもって楽園と感じるかは作家によって、あるいは文化的状況によって異なります。このコーナーではマティス、三宅凰白、山形博導らの作品に見られる、様々な楽園のイメージを検証いたします。

 2. 引用と複製

雑誌のグラビア、日用品のパッケージ、そして過去の名画など、既存のイメージを引用・剽窃・複製して作品を作ることは、現代美術に見られる重要な表現手段です。ここではウォーホル、シャーマン、赤瀬川原平、森村泰昌らの作品に見られる引用・複製表現を検証し、現代美術の中に横たわる大きな理念を探ります。

 3. 墨をめぐらして五色具わり、ますか

墨の濃淡だけで画面を作り上げる“水墨画”は、東アジア独特の絵画ジャンルと言えましょう。俗に墨五彩と言われるとおり、墨のみで描きながらもそこにはフルカラーの表現に勝るとも劣らない、無限の色調表現が生み出されます。その魅力を、横山大観、山元春挙、茨木杉風らの作品を通して検証いたします。

 4. テーマと構想 −歴史や故事人物を描く−

日本画の伝統的なテーマとして、歴史的な事実、歴史物語、あるいは中国の故事などが描かれる場合、同じ画題に即しながらも、画家の個性や生きた時代などによって様々な表現の違いが現れます。ここでは「武陵桃源図」「十六羅漢図」などの画題が作家によってどう変化するのか、その違いの妙をご堪能いただきます。

 5. 陶の現在 −より前に、より深く−

現代の陶芸作家には、伝統的な焼き物をより深く掘り下げようとする者と、土を用いたより前衛的な立体造形を志向する者とに二分されています。しかしいずれの作家たちも、土という素材を深く理解し、その属性を活かした上で制作している点では共通しています。このコーナーでは両者の作品を並べて展示し、陶芸術のいまを紹介いたします。

 6. 作品の前のあなた、あなたの前の作品

作品があなたの前にあるのと同様、作品を見ているあなたも作品の前に、ある特定の位置を占めて存在しています。作品と鑑賞者との位置関係にほんの少し工夫を加えると、あら不思議。作品の見え方が大きく変化するではありませんか。最後のコーナーではアバカノヴィッチ、スティル、コーネルらの作品を素材として、そんな一風変わった観賞法を体験していただくと共に、鑑賞者と美術館の相互交流を図ります。
また関連企画として、来館者が展覧会を見た感想を自由に貼り付けることができるコミュニケーションボード「感想の壁」を用意いたしました。この壁に書かれた感想の中のいくつかは、こちらのページでご覧いただけます。


 (図版1)
 マグダレーナ・アバカノヴィッチ
 「群衆4」

 テーマ6「作品の前のあなた、あなたの前の作品」より

 (図版2)
 三宅 凰白
 「琉歌」

 テーマ1「楽園天国」より

 (図版3)
 横山 大観
 「鳰之浦絵巻」(部分)

 テーマ3「墨をめぐらして五色具わり、ますか」より

画像をクリックすると、拡大表示されます。




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