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概 要/
NHKみんなのうたのアニメーションに登場した、郷愁に満ちた田舎の風景と、あどけない幼な子たちの絵をご存じですか? 優しい色使いで描き出された、移り行く日本の四季の美しさとはかなさ。その中を無邪気に遊ぶ、くたくたの着物とぽっちゃりとした頬の子供たちの姿は、時代を問わずに日本人の心に焼き付けられた、懐かしい原風景なのかも知れません。
この一連のイメージ画を手掛けた中島潔は、日本画・童画・イラストレーションの分野で高い人気を誇る作家です。1943(昭和18)年に旧満州で生まれた彼は、両親の故郷佐賀県で育ち、高校卒業後上京して、働きながら独学で絵を学びました。広告会社でアートディレクターとして頭角を現した後、33歳でフリーのイラストレーターとなり、1982(昭和57)年の「NHKみんなのうた」の「かんかんからす」のイメージ画を手掛けて、一躍全国的に注目を浴びるようになりました。以後も数々のアニメーションを手掛ける一方で、童画や女性画などを精力的に発表し、1987年のボローニャ国際児童図書展グラフィック賞をはじめとする数々の賞を受賞、国際的に活躍を続けています。1998(平成10)年には画業30年を記念して「源氏物語五十四帖」を発表し、話題を振りまきました。
中島潔の作風は、一瞬の風のそよぎを写し取るように、風景の美や女性の心もようを描き出すところから「風の画家」と呼ばれています。独学でありながら伝統的な日本画の基本語彙をしっかりと押さえ、その上で様々な童画や絵本の表現、さらにはディズニーのアニメの表現までも我が物としながら、常に古くて新しい、時代を超えた表現を追求しています。童画に登場する幼な子たち、往年の美人画を思わせるはかなげな女性の姿は、一見、どこかで見たような懐かしい表現に思えるのですが、実は極めて現代的なスタイルで処理されていることがわかります。特に近作の「源氏物語五十四帖」では、伝統的な絵巻物の語彙を用いながらも、コンピュータグラフィックスを思わせる斬新な意匠と緻密な色面処理、平面性と奥行きをうまく両立させたユニークな空間処理などによって、誰にも真似できない、独自のモダンな表現が生み出されています。
今回の展覧会では、「日本のこころ・故郷のこころ」をテーマに、新作・代表作約100点を展示し、中島芸術の魅力を紹介いたします。
会 期 / 平成14(2002)年 2月23日(土)〜3月31日(日) 開催日数:32日
開館時間 / 午前9時30分〜午後5時(入場は午後4時30分まで)
休館日 / 毎週月曜日
主 催 / 滋賀県立近代美術館・NHK大津放送局
協 力/ 株式会社創造教育センター
交 通 / JR琵琶湖線(東海道線)「瀬田駅」下車、バス「滋賀医大」方面行きにて「文化ゾーン前」バス停下車、徒歩5分
観覧料 / 一 般 900円 (700円)
高大生 650円 (500円)
小中生 450円 (350円) ( )内は前売りおよび20名以上の団体料金
関連の催し /
日曜美術鑑賞会(展示品解説)
日 時: 2002年3月1日(日) 14:00〜
講 師: 当館主任学芸員 平田 健生
中島潔氏 トーク・ショー
日 時: 3月10日(日) 午後1時半〜午後2時半
会 場: 講堂
入場料: 無料
定 員: 約200名(混雑が予想されますのでお早 めにお越しください)
ワークショップ「親子で作ろう懐かしの玩具」
内 容: 日本人の心の奥底にある、懐かしの風景を描き続けた中島潔の芸術にちなみ、親子で懐かしの玩具を作るワークショップを開催いたします。
日 時: 3月21日(木・祝)・24日(日)・31日(日) いずれも同一内容
時 間: いずれも午後1時〜午後3時頃
会 場: 美術館2階教養室
定 員: 5歳〜小4程度の親子、各回10組
講 師: 当館学芸員と美術館サポーター
参加料: 実費負担(500円程度)
申込方法: 往復ハガキに参加希望日・参加親子の氏名・年齢・住所・電話番号を明記の上、3月10日(日)までに下記宛て申し込んで下さい。
宛 先: 〒520-2122 滋賀県大津市瀬田南大萱町1740−1 滋賀県立近代美術館「親子ワークショップ係」
一部プレスレリースで報道のあった「赤い帽子」は、今回は出品されません。あしからずご了承下さい。
(図版3)
「源氏物語34帖 若菜・上(女三の宮)」(部分)
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