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過去の企画展より(広報用資料)

『ラ フ ァ エ ル 前 派 展』

Pre-Raphaelites Exhibition from Manchester City Art Galleries and other collections

4月8日(土) − 5月7日(日)


チラシ ヨーロッパに革命の嵐が吹き荒れた1848年、革新的芸術を目指す若い芸術家たちの手によって、ラファエル前派(ぜんは)同盟(The Pre-Raphaelite Brotherhood、略してPRB)という秘密結社が結成されました。中心となったのは、ジョン・エヴァレット・ミレー、ウィリアム・ホルマン・ハント、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの3人で、当時20歳になるかならないかの若者たちでした。
 ラファエル前派の画家たちは、ラファエッロ(イタリア・ルネサンスの巨匠)以後の絵画は、彼が打ち立てた美の規範や規則が、アカデミーの中で型にはまったかたちで伝授されるばかりであり、すっかり堕落してしまっていると考えました。そしてラファエッロの出現以前にあった、素朴で敬虔な宗教心に溢れた美術に憧れ、王立アカデミーの伝統に反旗を翻して、新しい芸術の創造を企てました。

 彼らは、アカデミーが遵守する芸術上の規則や因襲にとらわれず、「自然に帰れ」をモットーに、子供のような純真な目で自然を見つめ、写真のように克明精微に自然を描き出すことに努めました。そしてフランスの印象派の画家たちのように、戸外にカンヴァスを持ち出して制作に励みました。しかしフランスの写実主義や印象派とは異なり、宗教的な主題や、神話、文学、道徳的な教訓、寓意などを特に好み、それらを進んで作品の中に盛り込もうとしました。特にシェークスピア、キーツ、テニスンといったイギリスの詩人たちや、中世騎士道物語などが広く愛好されました。とりわけミレーが同盟を離脱した後は、詩人としても活躍したロセッティがラファエル前派の指導的存在となり、この傾向にいっそう拍車がかかりました。
 このため、ラファエル前派の絵画は、細部は写真のように克明細微に描かれているものの、全体としてはどこか非現実的で、詩的・幻想的な雰囲気を漂わせています。こうした特質はロセッティや、後期のラファエル前派運動を代表する画家であるバーン=ジョーンズの作品に典型的に見られます。

 今回、ラファエル前派の優れたコレクションで知られるマンチェスター市立美術館の改修にともない、同館の所蔵するラファエル前派の傑作の数々を全面的にお借りできることになり、本展の開催が実現しました。
 本展では、ラファエル前派が好んで描いたテーマを「宗教と神話」「文学と寓意」「女性と恋」「風景画−海と陸、都市と田園」「水と妖精」の五つのセクションに分け、油彩画、水彩画、素描など、計91点の絵画作品を展示いたします。
 迫真的なリアリズムと夢や幻想、ロマンが不思議に溶け合う独特の世界を繰り広げた、ラファエル前派芸術の多彩な魅力をお楽しみ下さい。

会 期 / 平成12(2000)年 4月8日(土) − 5月7日(日)  月曜日休館
     開催日数:26日

会 場 / 滋賀県立近代美術館 企画展示室

開館時間 / 午前9時30分〜午後5時(入場は午後4時30分まで)

主 催 / 滋賀県立近代美術館/産経新聞社

後 援 / 外務省/文化庁/ブリティッシュ・カウンシル/大阪新聞/夕刊フジ/サンケイリビング新聞/関西テレビ放送/ラジオ大阪

観覧料 / 一 般 1000円(800円)
     高大生  800円(600円)
     小中生  600円(400円) ( )内は前売りおよび20名以上の団体料金

関連の催し /

※講演会 4月16日(日) 午後2時より
     講師:河村錠一郎氏(一橋大学教授)
     会場:美術館講堂  入場無料

※日曜美術鑑賞会(展示品解説)
     4月23日(日) 午後2時より
     講師:当館主任学芸員 占部敏子
     会場:美術館講堂  入場無料

展示内容 / 油彩画・水彩画・素描 計91点

代表作品 /
 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 「あずまやのある牧場」 1850-72年 油彩・カンヴァス (図版1)
 アーサー・ヒューズ 「オフィーリア」 1852年 油彩・カンヴァス (図版2)
 ウィリアム・ホルマン・ハント 「贖罪の山羊」 1854-55年 油彩・カンヴァス
 ウィリアム・ホルマン・ハント 「死の影」 1870-73年 油彩・カンヴァス
 ウィリアム・ホルマン・ハント 「シャロットの乙女」 1886-1905年頃 油彩・カンヴァス
 ジョン・ブレッド 「ノルマンディーの海」 1885年 油彩・カンヴァス
 ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス 「ヒュラスと水の精」 1896年 油彩・カンヴァス (図版3)
 ジョン・メリッシュ・ストラドウィック 「林檎は黄金色にして歌声甘美なれど夏すでに過ぎ」 1906年 油彩・カンヴァス
 エドワード・バーン=ジョーンズ 「プシュケを救い出すクピド」 1867年 グワッシュ・カンヴァス
 アントニ・オーガスタス・フレデリック・サンズ 「ヴィヴィアン」 1863年 油彩・カンヴァス


あずまやのある牧場 (図版1)
 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
 Dante Gabriel Rossetti

 「あずまやのある牧場」
 
“The Bower Meadow”

 1850-72年
 油彩・カンヴァス

 (C) Manchester City Art Galleries

ヒュラスと水の精 (図版2)
 ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス
 John William Waterhouse

 「ヒュラスと水の精」
 “Hylas and the Nymphs”

 1896年
 油彩・カンヴァス

 (C) Manchester City Art Galleries

オフィーリア (図版3)
 アーサー・ヒューズ
 Arthur Hughes

 「オフィーリア」(日本初公開)
 
“Ophelia”

 1852年
 油彩・カンヴァス

 (C) Manchester City Art Galleries

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