無題

分類 現代美術
分類No. 1-P-29
種別 版画
収蔵年度 昭和58
作家名 ロバート・ラウシェンバーグ
作家名 ふりがな ろばーと らうしぇんばーぐ
作家名 English RAUSCHENBERG, Robert
作品名 無題
作品名 ふりがな むだい
作品名 English Untitled
制作年 和暦 昭和47
制作年 西暦 1972
(各)
縦 (cm) 101.0
横 (cm) 75.0
奥行 (cm)
材質・技法・形状 シルクスクリーン・紙
員数
備考
出品展
文化財等指定
寄贈品
作品解説

様々な映像を同一画面にコラージュするラウシェンバーグの手法を典型的に示す作品。海底油田と思われる写真が左側に鮮明に映し出され、その真っ青な空、立ちのぼる黒煙、燃え盛る炎の色が、画面中央に作家自身の激しい筆の動きと絵具の滴りで繰り返されている。その周囲には、海水浴をする人々の後ろ姿、細い木の枝を攀じ登る人物、羅針盤、電話、周恩来の顔写真、人体の一部、子供のいる様々な情景などがヴェールの向こうに霞んで見える。それらは作家が撮影した写真や雑誌の切り抜きなどであろうが、細部は殆ど判明できない。

ここで興味深いのは、ラウシェンバーグがかつてダンテの「地獄篇」の挿絵(1959-60年)などで用いたドローイングのスタイルをここで意識的に採用していることだ。それは雑誌の写真などを液体で濡らして、擦って紙に転写する方法で、作家自身はソルベント・トランスファーと名付けているが、一種のフロッタージュである。その結果、映像は実体感を失い、記憶の中を漂う影のように見える。

ラウシェンバーグは1970年にフロリダ州のキャプティヴァ島に移り住む。刺激の多いニューヨークから静かな海辺の町に移ったことは、ラウシェンバーグの精神に少なからぬ影響を与えたようだ。かつてのコンバイン・ペインティングや60年代の版画に見られる攻撃性が影を潜め、穏やかな雰囲気が漂うのは、彼を取り巻く生活環境を反映しているのかもかもしれない。