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「近江名所図」(部分)
屏風装6曲1双のうち左隻(部分) 紙本著色
縦137.0cm × 横361.0cm
室町時代(永禄年間?)制作
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国の重要文化財に指定されている本作品は、近年、宮島新一氏(「近江名所図の伝統」)によって紹介されて注目を浴びた、近江名所図の古い作例です。作品の右隻には、湖中に建つ鳥居で有名な自鬚(しらひげ)神社から堅田(かたた)あたりまでの風景が、左隻には日吉大社・坂本から三井寺あたりまでが描かれています。この図版で示している箇所は、左隻中央下に描かれている坂本の町並です、作品全体の主題は、堅田と坂本という都市の風景であり、その周辺に人々が共通して名所と考える場所を描いてあります。季節的には、雪を被った比良山が冬を、真野の入江が初夏を、日吉大社が紅葉に覆われる秋を、そして三井寺は桜の春を、それぞれ表現しているようです。一方湖上に目を移すと、湖上交通の盛んな様が目につきます。湖上で四ツ手網漁をする漁師の姿も認められます。
なお本図の制作年代および作者について、前述の宮島氏は景観年代や様式上の考察から、永禄年間(1558〜70)とくに永禄10年頃までの制作であり、作者については「狩野元信の次世代に属する、技巧にすぐれた元信工房の画人」と推定しています。