アートゲームの紹介

1-A. マッチングゲーム(七並べバージョン)

概 要:

別名『絵合わせゲーム』。2枚のカードの共通点を見つけ出して、それを言葉で説明するゲームです。作品の細部を観察する習慣を身につけるとともに、自分が感じたことを素直に表現するための訓練にもなります。

ルール:

  1. 3人から8人くらいグループに別れ、それぞれ円を描くように座ります。
  2. プレイヤーに手札としてカードを5枚(もしくは7枚)ずつ配ります。余ったカードの中から1枚抜き取り、円の中央に表を向けて置きます。残りのカードは脇に除けておきます。
  3. ジャンケンでゲームを始める順番を決め、最初のプレイヤーから順に、自分の手札からカードを一枚選んで、場に出ているカードの隣に置きます。ただし、カードを置くためには、隣のカードとの間に何らかの共通点がなければなりません。「どちらも女の人を描いた作品である」など、共通点を他のプレーヤーに説明し、他のプレイヤーは納得したら、拍手します。
  4. 共通点は他のプレイヤーが納得するなら、作品のモチーフ、色、かたち、ジャンル、素材、縦長か横長か、作家の国籍など、どんなものでも構いません。ただし誰かが既に見つけた《共通点》は、同じゲームでは2回以上使えませんので注意して下さい。
  5. どうしてもカードを出すことができない場合は、最初に脇に除けたカードをランダムに引いて不必要なカードと交換できます。
  6. 全員が手札のカードをすべて並べおえたら、ゲーム終了です。

 

1-B. マッチングゲーム(神経衰弱バージョン)

概 要:

七並べバージョンよりも難易度を高くしたい場合に、カードをランダムに引いて行うゲームです。

ルール:

  1. プレイヤーの中央に、たくさんのカードを裏を向けて大きく広げます。
  2. レイヤーは順にカードを2枚ずつランダムに選び、表を向けます。共通点を見つけて、他のプレイヤーに説明して下さい。共通点を見つけたカードは、そのプレイヤーのものになります。見つけることができなかった場合はパスして次の人に移って下さい。たくさんカードを獲得した人が勝ちとなります。

 

1-C. マッチングゲーム(対決バージョン)

概 要:

2人でできるマッチングゲームです。できるだけ、学力・知識レベルが似通った者どうしで行って下さい。

ルール:

  1. 2人のプレイヤーが、カードを10枚くらいずつ持って向かい合います。
  2. 「せーの!」のかけ声と同時に、カードを1枚ずつ出します。2枚のカードの共通点を見つけたら、早い者勝ちで宣言して下さい。早く共通点を見つけることができたプレイヤーが、カードを2枚とも獲得できます。
  3. カードをたくさん獲得したプレイヤーが勝ちとなります。

 

2.ジェスチャーゲーム

概 要:

全身を使って作品を理解する、マッチングゲームよりも年少の子供たち向けのゲームです。

ルール:

  1. あらかじめ、絵画・彫刻を問わず人物が単独で表現されたカードのみを選別しておいて下さい。ただしプレイヤーの年齢が高い場合は、動物画や静物画、抽象画を入れたり、複数の人物が表現されたカードを入れても構いません。
  2. 円を描くように座ったプレイヤーの中央に、カードの束を裏を向けて置きます。
  3. プレイヤーは順に山札のカードを一枚ずつめくって皆に図柄を見せ、そのカードの人物のポーズや表情をジュスチャーで真似します。
  4. うまくジェスチャーできた場合、他のプレイヤーは拍手してあげて下さい。誰が一番面白いジェスチャーをしたか比べてみましょう。

 

3-A. キーワードゲーム(通常バージョン)

概 要:

ことばと作品を結びつけるゲームです。作品を見て感じた印象をお互いに話し合うと、作品の見方や自分の世界が広がります。そのための練習として、作品とことばを対応させるのが本ゲームの目的です。

ルール:

  1. 最初に作品と結びつける言葉を用意します。厚紙を小さなカード状に切って、そこに様々な言葉を書いてゆきます。《あたたかい》《こわい》《かっこいい》といった、形容詞を使うのがいいでしょう。
  2. 円を描いたプレイヤーの中央に、おもてを向けたカードを広げ、その中央にことばカードの束を裏を向けて置きます。
  3. プレイヤーは順にことばカードを1枚ずつ取り、現われた言葉にマッチしていると思える作品カードを選んで、どうしてその作品と言葉がマッチしていると思うのか、理由を他のプレイヤーに説明します。
  4. 説明された理由に納得したら、他のプレイヤーは拍手して下さい。そのカードは取ったプレイヤーのものになります。

 

3-B. キーワードゲーム(年少向けバージョン)

概 要:

参加者の年齢が低い場合は、いきなりことばと作品を結びつけるのは無理があります。その場合に行うことができるバージョンです。

ルール:

  1. 大きな模造紙の片隅に、ことばカードを一枚ずつ貼り付けるか、直接ことばを書き入れます。これらを床に並べるか、あるいは壁に並べて貼っておきます。
  2. たくさんのカードをおもてを向けて広げておきます。
  3. ゲーム開始と同時に、プレイヤーたちは作品カードの中から、該当することばカードにマッチしたものを探し出して、模造紙に貼りつけてゆきます。一人で何枚貼りつけても構いません。約5分の制限時間内に、みんなで何枚のカードを貼ることができたかを数えます。
  4. あとで『どうしてこのカードを選んだのか』話し合ってみるといいでしょう。ゲループに分かれて数を競うのも面白いでしょう。

 

3-C. キーワードゲーム(キャラクターバージョン)

概 要:

キーワードゲームに用いることばには、形容詞以外のものも使えます。ここではキャラクターバージョンとして、さまざまな人物や職業をキーワードに使ったものを紹介します。人による作品の感じ方の違いを学習し、感受性を豊かにするとともに、ことばのイメージを広げ、想像力を増すのに役立ちます。

ルール:

  1. 厚紙カードに今度は、さまざまな職業やキャラクターの名前を書いて下さい。ドラキュラや魔女など架空の存在を使ったり、犬やピラニアなどの動物が混じっていても構いません。
  2. ゲームのルールは1-Aと同じです。キャラクターのイメージに合った作品、というだけでなく、このキャラクターはこれを欲しがっている、あるいは、このキャラクターの子供がこの作品だ、などの回答でもいいでしょう。面白い回答が出たら、みんなで喝采しましょう。

 

4. かるたゲーム

概 要:

アートゲーム・ボックスに入っている詠み札カードを使った“かるた”です。

ルール:

  1. アートゲーム・ボックスで使われている300点の作品には、それぞれ一枚ずつ詠み札カードが対応しています。これを使って、ふつうのカルタと同じ要領で遊んで下さい。300枚で一度に遊ぶのは多すぎるので、1~50番、250~300番などと、カードを分けておくと良いでしょう。
  2. もしも作品と詠み札の対応がわからなくなった時は、カードの裏に書かれた番号で対照できます。
  3. 参加者が中学生以上の場合は、付属の詠み札カードを使わずに、参加者が自分で詠み札を考えるのもよいでしょう。

 

5.お話し作りゲーム

概 要:

3種類のカードを使って自由にお話しを作るゲームです。作品を見る目を多様なものにし、想像力と表現力を育てるのに役立ちます。

ルール:

  1. 円を描いたプレイヤーの中央に、カードをおもてを向けて広げます。
  2. プレイヤーは順に、カードを3枚選んでみんなに示し、この3枚を使って即興でお話しを作って披露します。考える時間を少し設けて下さい。
  3. お話しは思いつきのもので充分です。必ずしも起承転結を伴っていなくても構いません。面白いお話しができたら、皆で喝采しましょう。特に面白いお話しは紙にセロテープでとめ、しばらく壁に掲示しておいてもよいでしょう。
  4. 難易度を上げたい場合は、好きなカードを自由に選ぶのではなく、充分にシャッフルしたカードを裏を向けて積み重ね、上から順に3枚ずつ引いてランダムにカードが与えられるようにするといいでしょう。
注 意:小学校低~中学年の特に男の子の場合、死や暴力、排泄物などの話しがよく登場しますが、これは前思春期の発達段階に伴う象徴的儀礼なので、特に心配はいりません。叱らないようにして下さい。

 

6.展覧会作りゲーム

概 要:

美術館の仕事をシミュレーションするゲームです。参加者はある特定のテーマを決めて作品カードを集め、それを展示し、皆の前で発表します。複数の作品の高度な取扱いが必要になるため、小学校高学年以上で実施すると良いでしょう。

ルール:

  1. まず展示用の壁の代わりになる、大きな紙を用意します。A3判の紙を2つに切り横につないで使うなど、状況によって大きさを変えて下さい。
  2. 各プレイヤーに先程の大きな紙を渡し、中央にはおもてを向けたカードを広げておきます。
  3. プレイヤーはそれぞれ自分の展覧会のテーマを決め、そのテーマに合った作品をカードの中から選んで紙に貼ってゆきます。なおこの時、展覧会を人に見せる順序を考えて、カードをるようにしましょう。
  4. 使いたい作品が他のプレイヤーと重なってしまった場合は、話し合いで解決します。自分の展覧会にどれだけその作品が必要なのか、相手によく説明して、より必要な方がそのカードを取って下さい。
  5. 自分だけの展覧会が完成したら、そのテーマと、どうしてこの作品を展示したのか理由を発表してもらいます。満足のゆく展覧会ができたら、しばらく壁に貼っておいてもいいでしょう。

 

最 後 に

今回紹介した6種類のゲーム以外に、工夫次第で新しいゲームを次々と考案し、実践できるのがアートゲームの面白いところです。ぜひ、工夫して新しいゲームを試して下さい。

 

 

ゲーム終了後、すべてのカードを参加者が自由に手にとって眺めることができるようにすると良いでしょう。カードの裏には必ず、その作品の名前や作者の名前、どこの美術館にその作品があるかが記されています。気に入った作品があればメモして覚えておくと、いつの日かその作品に会えるかも知れません。もちろん、滋賀県立近代美術館蔵と書かれた作品は、県立近代美術館で見ることができます。