沢 宏靱 素描展 「同時開催:滋賀の風景を描く-所蔵品の中から」

1985年1月12日1985年2月11日
沢宏靱(さわ・こうじん。1905-1982)は、明治38年に滋賀県長浜市に生まれ、大正9年、京都で西山翠嶂に師事した。昭和6年の第12回帝展に 「機(はた)」が初入選、その後帝展や文展に出品を続けるが、戦後は「創造美術」の結成に参加し官展を離れている。新制作協会日本画部、創画会と会名も変 わり、組織が発展する中、常に創立期の理念を失うことなく秀作を発表した。その作品は、海岸の岩壁や海原、山岳などの自然の姿を主題にした重厚で雄大な風 景画に特色がある。本展は、昭和57年に生涯を閉じた作者の膨大な素描・下絵の中から、年代的には比較的近年の風景画の素描・下絵を選び、それらを基礎にして描かれた本画とともに展示し、作品が完成するまでの創作の工夫を紹介しようという試みのもとに開催された。本画の制作に至るまでの作者の思考過程をた どり、その芸術を観る上での視点を広げようとしたものである。本画18点と素描・下絵97点を出品した。
主  催 滋賀県立近代美術館
会  場 企画展示室1
観覧者数 2,502人 (一日平均 96人、一日最高 253人)
図  録 240×190mm、56ページ(カラー作品図版10点、モノクロ作品図版61点) 編集・発行:滋賀県立近代美術館 内容:○論文:石丸正運「沢宏靱 -人と芸術-」     ○作品解説・年譜:岡村さわ子
新聞関連記事 京都新聞 昭和60年1月18日~20日(朝刊・滋賀版)
「創作の軌跡をたどる -沢宏靱素描展から-」 (3回連載) 岡村さわ子
京都新聞 昭和60年2月2日(朝刊)  展評 津田潤一郎
■本 画
NO. 作 品 名 制 作 年 材 質 寸法 (cm) 出 品 展 所   蔵
1 牟始風呂 昭和8年(1933) 紙本着色 213.0×150.0 第15回帝展 当館
2 歴層 昭和37年(1962) 159.0×190.0 第26回新制作展  
3 赤礁 昭和38年(1963) 152.0×190.0 第27回新制作展  
4 海蝕 昭和39年(1964) 151.5×189.5 第28回新制作展 京都市美術館
5 海の対話 昭和45年(1970) 162.0×130.0 第34回新制作展 長浜市立図書館
6 響む 昭和49年(1974) 143.0×192.0 第1回創画展 京都市美術館
7 胡蝶の舞ふ瀬戸 昭和51年(1976) 89.0×71.0 春季創画展  
8 ありそもに蝶の舞ふ 144.5×194.0 第3回創画展 当館
9 赤い山 昭和52年(1977) 90.0×72.0   長浜市
10 幻耀 昭和53年(1978) 153.0×120.6 第5回創画展 当館
11 染茜 昭和54年(1979) 192.0×130.0 第6回創画展  
12 雪壁 昭和55年(1980) 90.0×72.2 春季創画展 市立長浜城歴史博物館
13 古里の山 192.0×130.0 第7回創画展 当館
14 朱の山 昭和56年(1981) 89.0×71.0 春季創画展  
15 鳴門 192.8×130.0 第8回創画展 当館
16 湖北 62.0×50.0    
17 44.5×32.3    
18 昭和57年(1982) 89.0×71.0 春季創画展  

■素描・下絵類

「歴層」に関する素描・下絵        5点      「幻耀」関する素描・下絵           5点

「赤礁」に関する素描・下絵        7点      「染茜」に関する素描・下絵          3点

「海蝕」に関する素描・下絵        8点       「雪壁」に関する素描・下絵         4点

「海の対話」に関する素描・下絵      10点      「古里の山」に関する素描・下絵       8点

「響む」に関する素描・下絵        5点       「朱の山」に関する素描・下絵        10点

「ありそもに蝶の舞ふ」に関する素描・下絵  2点     「鳴門」に関する素描・下絵         8点

「赤い山」に関する素描・下絵      3点      「湖北」に関する素描・下絵           11点

「晨」に関する素描・下絵        8点                  計 97点

特別陳列 「滋賀の風景を描く-所蔵品の中から」

「沢宏靱素描展」と同時開催という形で、収蔵品の中から琵琶湖をはじめ滋賀の風景や風物を描いた作品を19点選び展示した。

会 場 : 企画展示室2

 

No. 作 家 名 作 品 名 制 作 年 材   質 数  量 寸 法(cm)
1 狩  野  派 琵琶湖風景図 16世紀後半 紙本金地着色 6曲一双 (各)136.6×361.0
2 岸   竹 堂 近江八景図 明治4年(1871) 絹本着色 1幅 130.7×50.8
3 堅田真景図 明治13年(1880)頃 121.9×32.5
4 野 村 文 挙 近江八景図 明治32年(1899) 8幅 (各)62.5×84.5
5 横 山 大 観 矢走帰帆 大正7年(1918)頃 1幅 138.3×50.2
6 池 田 遙 邨 湖畔残春 大正9年(1920) 6曲一双 (各)167.0×375.0
7 堅田春風 昭和初期 1幅 39.8×51.3
8 疋 田 春 湖 比良風景図 大正12年(1923)頃 1面 190.1×101.3
9 茨 木 杉 風 近江八景図 昭和51年(1976) 紙本着色 6曲一隻 157.6×345.0
10 沖の白石 紙本墨画淡彩 1面 39.6×52.0
11 湖畔 紙本墨画 1面 48.8×59.5
12 竹生島 紙本墨画淡彩 1面 44.3×56.8
13 野 口 謙 蔵 梅干 昭和4年(1929) 油彩・画布 160.5×129.0
14 五月の風景 昭和9年(1934) 130.0×161.7
15 雑草 昭和12年(1937) 129.5×,193.7
16 冬日 130.3×80.3
17 昭和15年(1940) 130.5×162.0
18 田 村 一 男 比良多雪 昭和55年(1980) 97.0×162.1
19 比良初雪 昭和56年(1981) 145.5×89.4