静岡県立美術館・滋賀県立近代美術館の名品80点でたどる 美術の20世紀 -豊かなる表現-

2005年6月4日2005年7月10日
静岡県立美術館と滋賀県立近代美術館の共同企画展第2弾。両館は、平成12年(2000年)度に「日本画の情景-富士山・琵琶湖から-」と題して、室町時代から今日にいたる日本画の風景表現を主題にした企画展を行っているが、今回は、20世紀という激動の時代に焦点を当てた。それは、めまぐるしい変遷を遂げた20世紀美術の流れを、新たな視線から捉え直し、現在の我々が置かれている状況や未来に向けた創造の可能性を探求する試みであった。
本展の特徴は、作品の制作年代順、あるいはジャンル別に作品を展示するのではなく、20世紀を特徴づける8つのテーマ -「日本における近代絵画の成立」 「画家の求めた風景」 「大正の細密画」 「ファシズムと戦争、人間性の希求」「色の可能性、形の力」 「女性の時代・それぞれのアジア」 「触覚性の開拓」「越境する美術」- を設けて、それぞれの切り口から、作家の感性や表現の多様性、独創性を明らかにしようとするものであった。出品作品の内容は、両館のコレクションを中心に、静岡市立芹沢鮭介美術館などのご協力も得て、日本画と洋画、現代美術、彫刻、工芸など、幅広いジャンルの作品76点によって構成された。
なお本展は、当館に先立つて静岡県立美術館で開催された。
主  催 滋賀県立近代美術館、静岡県立美術館、「美術の20世紀展」実行委員会、京都新聞社
後  援 滋賀県教育委員会、NHK大津放送局
助  成 財団法人地域創造
会  場 企画展示室1・2
関連行事 ○特別講演会 「日本美術の20世紀」
平成17年7月2日(土)  於:講堂
講師:木下直之(東京大学教授)
○美術講演会 「美術の20世紀-豊かなる表現」
平成17年6月26日(日)  於:講堂
講師:泰井良(静岡県立美術館学芸員)
図  録 290×225mm、120ページ(カラー作品図版107点、モノクロ作品図版5点)
編集:静岡県立美術館、滋賀県立近代美術館
発行:静岡県立美術館、滋賀県立近代美術館、「美術の20世紀展」実行委員会
内容:○論文:「美術の20世紀-豊かなる表現」 泰井良(静岡県立美術館学芸員
       「仏画らしくない幾つかの仏画-小倉遊亀の[信心] 」 高梨純次(当館学芸課長)
       「バルラッハ随想」 占部敏子(当館主任学芸員)
       「絵画の触覚性」 川谷承子(静岡県立美術館学芸員)
       「感性の古層を尋ねる旅-『越境する美術』への解題」 村上敬(静岡県立美術館学芸
        員)
○作家・作品解説   ○出品リスト
新聞関連記事 京都新聞 平成17年5月25日(朝刊)   「激動の時代 アートを回顧」
京都新聞 平成17年6月19日~23日(朝刊) 「企画展美術の20世紀から」(5回連載)高梨純次、占部敏子
No. 作家名 作品名 制作年 材質・技法・形状 寸法(cm) 所蔵先
第1章 日本における近代絵画の成立
1 司馬江漢 駿州薩陀山富士遠望図 1801(文化1)年 絹本油彩 78.5×146.5 静岡県立美術館
2 チャールズ・ワーグマン 富士遠望図 1876(明治9)年以降 油彩・キャンヴァス 41.2×76.2 静岡県立美術館
3 岸竹堂 堅田真景図 1880(明治13)年頃 絹本着色 121.9×32.5 滋賀県立近代美術館
4 山元春挙 深山雪霽鹿図 1895(明治28)年 絹本墨画、四曲一隻 135.0×229.8 滋賀県立近代美術館
5 野村文挙 芳野春暁図 1897(明治30)年頃 絹本着色 172.3×99.6 滋賀県立近代美術館
6 平木政次 富士 1897(明治30)年 油彩・キャンヴァス 44.0×67.0 静岡県立美術館
7 五姓田義松 富士 1905(明治38)年 油彩・キャンヴァス 46.8×101.5 静岡県立美術館
8 下村観山・横山大観 日・月蓬莱山図 1900(明治33)年頃 絹本墨画淡彩、対幅 各98.0×154.0 静岡県立美術館
9 菱田春草 雪の山 1909(明治42)年頃 絹本着色 41.0×62.0 滋賀県立近代美術館
10 川村清雄 1913(大正2)頃-1927(昭和2)年 油彩・キャンヴァス 60.6×152.0 静岡県立美術館
第2章 画家の求めた風景
11 和田 英作 富士 1918(大正7)年 油彩・キャンヴァス 60.6×80.2 静岡県立美術館
12 和田 英作 日本平望嶽台 1939(昭和14)年 油彩・キャンヴァス 45.0×52.8 静岡県立美術館(寄託)
13 曽宮 一念 麦秋 1941(昭和16)年 油彩・キャンヴァス 72.8×91.0 静岡県立美術館
14 曽宮 一念 スペインの野 1968(昭和43)年 油彩・キャンヴァス 73.0×91.0 静岡県立美術館
15 曽宮 一念 毛無連峯 1970(昭和45)年 油彩・キャンヴァス 53.0×72.7 静岡県立美術館
16 野口 謙蔵 梅干 1929(昭和4)年 油彩・キャンヴァス 160.5×129.0 滋賀県立近代美術館
17 野口 謙蔵 五月の風景 1934(昭和9)年 油彩・キャンヴァス 130.0×161.7 滋賀県立近代美術館
18 野口 謙蔵 蓮とあさがほ 1935(昭和10)年 油彩・キャンヴァス 130.5×162.0 滋賀県立近代美術館
19 野口 謙蔵 虹の風景 1941(昭和16)年 油彩・キャンヴァス 50.3×60.7 静岡県立美術館
第3章 大正の細密描写ー岸田劉生、速水御舟など
20 速水 御舟 洛北修学院村 1918(大正7)年 絹本着色 132.0×97.5 滋賀県立近代美術館
21 速水 御舟 鍋島の皿に柘榴 1921(大正10)年 絹本着色 36.8×49.5 静岡県立美術館(寄託)
22 小茂田青樹 四季草花 夏・冬 1919(大正8)年 紙本着色、六曲一双 各132.5×259.0 滋賀県立近代美術館
23 岸田 劉生 静物(リーチの茶碗と果物) 1921(大正10)年 油彩・キャンヴァス 48.5×59.5 静岡県立美術館(寄託)
24 柏木 俊一 1912-1925(大正時代) 油彩・キャンヴァス 37.5×45.5 静岡県立美術館
25 山口 華楊 山羊 1924(大正13)年 絹本着色、二曲一隻 170.9×188.4 滋賀県立近代美術館
第4章 ファシズムと戦争、人間性の希求
26 エルンスト・バルラッハ 読書する僧たち III 1932年 ブロンズ 58.0×44.5×34.5 静岡県立美術館
27 エルンスト・バルラッハ 神の変容 1920-21年 木版・紙 静岡県立美術館
表紙
第一日 25.6×36.0
大聖堂 25.4×36.0
神の乞食 25.6×35.9
死の舞踏 24.6×36.0
神の腹 25.5×35.9
岩山 25.5×35.9
第七日 25.6×35.9
28 マグダレーナ・アバカノヴィッチ 群衆 IV 1989-90年 黄麻布、樹脂 各175.0×60.0×30.0 滋賀県立近代美術館
29 アントニ・タピエス 黒い空間 1960年 油彩・キャンヴァス 261.0×390.5 滋賀県立近代美術館
第5章 色の可能性、形の力
歌川 広重 東海道五拾三次(保永堂版) 1833(天保4)年頃 木版・紙 大判錦絵 静岡県立美術館
30 箱根湖水図 25.5×38.7
31 沼津黄昏図 25.7×38.6
32 庄野白雨 25.5×38.0
33 土山春之雨 25.5×38.7
34 横山 大観 群青富士 1917-18(大正6-7)年頃 絹本着色、六曲一双 各176.0×384.0 静岡県立美術館
35 中村 岳陵 かきつばた 1954(昭和29)年 絹本着色 60.0×73.7 静岡県立美術館
36 中村 岳陵 残照 1961(昭和36)年 紙本着色 94.5×120.0 静岡県立美術館
37 アンディ・ウォーホル マリリン 1967年 シルクスクリーン・紙、10点組 各91.5×91.5 滋賀県立近代美術館
38 アンディ・ウォーホル キャンベル・スープ I 1968年 シルクスクリーン・紙、10点組 各89.3×58.7 滋賀県立近代美術館
39 ロイ・リキテンスタイン フット・アンド・ハンド 1964年 オフセットリトグラフ・紙 42.1×53.3 滋賀県立近代美術館
40 ロイ・リキテンスタイン 泣く女 1963年 オフセットリトグラフ・紙 43.7×58.9 滋賀県立近代美術館
41 ロイ・リキテンスタイン 積みわら #1 1969年 リトグラフ、シルクスクリーン・紙 52.6×77.8 滋賀県立近代美術館
42 ロイ・リキテンスタイン 積みわら #2 1969年 リトグラフ、シルクスクリーン・紙 52.6×77.9 滋賀県立近代美術館
43 ロイ・リキテンスタイン 積みわら #3 1969年 リトグラフ、シルクスクリーン・紙 52.4×78.2 滋賀県立近代美術館
44 ロイ・リキテンスタイン 積みわら #4 1969年 リトグラフ、シルクスクリーン・紙 52.5×78.2 滋賀県立近代美術館
45 ロイ・リキテンスタイン 積みわら #5 1969年 リトグラフ、シルクスクリーン・紙 52.3×78.1 滋賀県立近代美術館
46 ロイ・リキテンスタイン 積みわら #6 1969年 リトグラフ・紙 52.6×78.1 滋賀県立近代美術館
47 ロイ・リキテンスタイン 積みわら #6 ステート1 1969年 リトグラフ・紙 52.3×78.2 滋賀県立近代美術館
48 ロイ・リキテンスタイン 積みわら #7 1969年 凸版刷り・紙 52.6×77.9 滋賀県立近代美術館
第6章 女性の時代-それぞれのアジア
49 小倉 遊亀 故郷の人達 1929(昭和4)年 紙本着色、二曲一隻 171.3×206.4 滋賀県立近代美術館
50 小倉 遊亀 家族達 1958(昭和33)年 紙本着色 204.0×153.6 滋賀県立近代美術館
51 小倉 遊亀 1965(昭和40)年 板着色、三面 各151.0×58.8 滋賀県立近代美術館
52 小倉 遊亀 1977(昭和52)年 紙本金地着色 199.0×139.5 滋賀県立近代美術館
53 小倉 遊亀 菩薩 1979(昭和54)年 紙本着色 148.0×65.0 滋賀県立近代美術館
54 秋野 不矩 廻廊 1984(昭和59)年 紙本金地着色 151.3×101.0 静岡県立美術館
55 秋野 不矩 ガンガー(ガンジス河) 1979(昭和54)年 紙本着色 148.0×266.5 静岡県立美術館
56 秋野 不矩 たむろするクーリー 1984(昭和59)年 紙本金地着色 94.5×294.0 静岡県立美術館
57 秋野 不矩 ウダヤナギ II 1992(平成4)年 紙本着色 135.0×240.0 静岡県立美術館
58 三橋 節子 土の香 1971(昭和46)年 紙本着色 160.7×129.5 滋賀県立近代美術館
59 三橋 節子 鬼子母神 1972(昭和47)年 紙本着色 162.1×130.3 滋賀県立近代美術館
第7章 触覚性の開拓
60 山口 長男 1982(昭和57)年 油彩・板 180.0×91.5 アートスペースシモダ
61 イヴ・クライン RE42 海綿、小石、染料、合成樹脂・板 93.5×73.5 滋賀県立近代美術館
62 徳岡 神泉 1964(昭和39)年 紙本着色 110.7×143.7 静岡県立美術館
63 斎藤 義重 作品2 1960(昭和35)年 油彩・合板(ドリルを使用) 169.0×109.0 静岡県立美術館
64 ジョアン・ミッチェル 1954年 油彩・キャンヴァス 203.2×254.5 静岡県立美術館
65 田村 一男 北越大雪 1976(昭和51)年 油彩・キャンヴァス 145.5×89.4 静岡県立美術館
66 マーク・ロスコ ナンバー28 1962年 油彩・キャンヴァス 205.8×193.5 滋賀県立近代美術館
第8章 越境する美術
67 森田 安次 風の又三郎 1949(昭和24)年 紙本墨書 136.4×68.7 静岡県立美術館
68 李 禹煥 線より 1979(昭和54)年 岩絵具、にかわ・キャンヴァス 182.0×227.0 静岡県立美術館
69 李 禹煥 点より 1976(昭和51)年 岩絵具、にかわ・キャンヴァス 181.5×227.5 滋賀県立近代美術館
70 作者不詳 古備前四耳壺 15-16世紀(室町時代) 古備前焼 高さ31.0 口径10.5 低径17.0 静岡県立美術館
71 香月 泰男 冬畠 1965(昭和40)年 油彩、方解末、墨・キャンヴァス 90.9×60.6 静岡県立美術館
72 アンリ・マティス オセアニア 海 1946年 シルクスクリーン・リンネル 165.0×376.5 滋賀県立美術館
73 芹沢 銈介 貝文着物 1963(昭和38)年 型絵染・絹(縮緬) 164.0×66.0 静岡市立芹沢銈介美術館
74 芹沢 銈介 宝尽くし文二曲屏風 1960(昭和35)年 型絵染・絹(紬) 174.2×190.0 静岡市立芹沢銈介美術館
75 芹沢 銈介 御滝図のれん 1962(昭和37)年 型絵染・絹(紬) 135×112.5 静岡市立芹沢銈介美術館
76 芹沢 銈介 知恩院御影堂荘厳布のための型紙(行灯) 1974(昭和49)年 型紙 226.0×157.0 静岡市立芹沢銈介美術館