レスポンス-対話と応答

2010年4月13日2010年6月27日

 

現代美術部門の展示室では、別の作品と何らかの関連性を持つ作品ばかりを厳選して展示し、作品どうしが応答(レスポンス)し合うユニークな関係に照明を当てています。

関西在住の森村泰昌が、19世紀イギリスのデザイナー、ウィリアム・モリスの「王妃グィネビア」に扮した自分自身の姿を写真に撮って作った作品「王妃と犬」や、自らレンブラント風の人物に扮して写真作品にしたシンディ・シャーマンの「無題#227」などは、過去の有名な作品を元にした現代作品です。

またアメリカン・ポップ・アートの作家ジム・ダインの「自画像」を作品の中に流用した小枝繁昭の「Dine’s Red and Flowers #11」や、アンディ・ウォーホルの「192枚の1ドル紙幣」という作品を元に、アリの巣を使って作品を作った柳幸典の「Studyfor American Art -192 One-Doller Bills-」などは、同じ現代の作家に対するオマージュ(敬意を表した作品)となっています。

また今回の展示作品の中には、当館が作家に依頼して、当館蔵の作品を題材にしながら新たに制作してもらったものが、多数含まれています。
例えば伊庭靖子の絵画作品「untitled」は、当館蔵の清水卯一の陶器作品をモチーフに描かれたものであり、また福田美蘭の絵画作品「志村ふくみ『聖堂』を着る」は、当館蔵の志村ふくみの紬織着物「聖堂」を着た自分の姿を想像して描かれたものです。いずれの元ネタ作品も、今回は常設展示室1で併せて鑑賞することが可能です。

今回の展示では、このように作品どうしの応答によって新たな作品が生まれる面白さに注目しながら、現代の作品を楽しく鑑賞していただきたいと思います。