自然学|SHIZENGAKU ~来るべき美学のために~

2012年8月11日2012年9月23日

成安造形大学&滋賀県立近代美術館 連携推進事業

SHIZENGAKU -for the Coming Aesthetics-  Exhibition Associated with Seian University of Art and Design

この秋、滋賀県立近代美術館では成安造形大学との連携推進事業として、企画展「自然学|SHIZENGAKU−来(く)るべき美学のために−」を開催いたします。成安造形大学がパートナーシップを締結しているロンドン大学ゴールドスミスカレッジの協力も得て、大学と美術館が深く恊働した新たな文化創出の形を試行します。

今世紀の最も大きな課題は地球環境の問題です。自然は人間存在の基盤であり、生成の契機です。人間社会が自然の力を損なうようであれば、人類は存続できません。そのような価値観に貫かれた社会作りが国際的に急がれるのは、周知の事実です。この地球環境問題の時代において、「芸術」という枠組みが真にグローバルな平和的社会基盤として機能するためには、それにふさわしいテーマが必要ではないでしょうか。我々に提案できることは、「芸術」におけるテーマとして「自然」を語ることです。

本展は、成安造形大学とロンドン大学ゴールドスミスカレッジの国際学術交流プロジェクトが発端となっています。「自然学|SHIZENGAKU」、それは東西の文化、すなわち欧米とアジアが共有すべきテーマであり、21世紀における自然認識や芸術と自然の関係を日英双方からの視点で掘り下げ、グローバルな時代の新たな「自然美学」の構築を目指すものです。日英双方で展覧会と国際シンポジウムを開催し、複数の芸術媒体と複数の批評的枠組み(理論/実践、日本/英国)によって立体的な探求を行います。このプロジェクトの成果から、日英の自然観を基盤としながらも、それぞれの美意識の主張にとどまらない提案の契機を生み出せればと考えています。

プロジェクトのコアメンバーは以下の6名です。
岡田修二(成安造形大学 絵画 プロジェクト・リーダー) 
山本和人(成安造形大学 宗教学・哲学)  
要真理子(大阪大学・成安造形大学 美学・芸術学)
ジョン・レヴァック・ドリヴァー(ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ音楽学部 フォノグラファー・サウンドアート)
アンソニー・プライアー(ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ音楽学部 美学) 
松本直美(ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ音楽学部 音楽歴史学 プロジェクト・コーディネーター )

本展(日本展)は、プロジェクト・コアメンバーのアーティスト2名によるコラボレーションを中核に、成安造形大学の教員や卒業生も参加して大規模な展覧会となります。調和と共存のための感性の獲得を目指して、鑑賞者・アーティスト・学者・学生が語り合っていける活性化された場を形成したいと考えます。英国展と第2回国際シンポジウムは2013年3月にロンドン大学ゴールドスミスカレッジ他で開催される予定です。

なお、本展のタイトル「自然学|SHIZENGAKU−来るべき美学のために−」は、アリストテレスの同名理論書「自然学」(原・英題:philosophia /physica)、及びジル・ドゥルーズの論文「ルクレティウスと自然主義」、今西錦司著書「自然学の提唱」などに由来しています。

会  期 2012年 8月11日(土)-9月23日(日)
休 館 日 月曜日 (ただし9月17日(月・祝)は開館、翌9月18日(火)は休館)
観 覧 料

一 般 850円(650円) 高大生 600円(400円) 小中生 400円(300円)
( )内は前売および20名以上の団体料金
ローソンチケットでお買い求めの前売券は、当館総合受付(チケットカウンター)にて観覧券とお引き換え下さい。
ローソンチケットLコード 55723

前売券販売箇所のご案内はこちら

主  催 成安造形大学、滋賀県立近代美術館
協  力 ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ
協  賛 大和日英基金
出品作家 石川亮、宇野君平、岡田修二、木藤純子、ジョン・レヴァック・ドリバー(John Levack Drever)、Softpad、西久松吉雄、馬場晋作、真下武久
関連事業

■ 第1回国際シンポジウム
日 時: 8月11日(土) 10:00─16:00(開場9:40)
会 場: 滋賀県立近代美術館 講堂
テーマ: 芸術の基礎としての自然とクリエイティヴィティ
パネリスト:
・岡田修二(成安造形大学 絵画 プロジェクト・リーダー)
・山本和人(成安造形大学 宗教学・哲学)
・要真理子(大阪大学招へい准教授、成安造形大学 美学・芸術学)
・ジョン・レヴァック・ドリヴァー(John Levack Drever ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ音楽学部・フォトグラファー、サウンドアート)
・アンソニー・プライアー(Anthony Pryer ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ音楽学部 美学)
・松本直美(プロジェクトコーディネーター ゴールドスミスカレッジ音楽学部 音楽歴史学 )
*シンポジウム終了後に企画展示室にて出品作家によるギャラリートークを予定。16:00─16:50

■ トークイベント
▼ギャラリーツアー&レクチャー(1)
日 時: 9月8日(土) 午後2時─2時50分(第1部)/ 午後3時─3時40分(第2部)
内 容:
 第1部 千速敏男(成安造形大学教授 西洋美術史)によるレクチャー「西洋美術における自然の表現」
 第2部 要真理子、千速敏男、真下武久(出品作家)によるギャラリーツアー
参加方法: 要予約、参加費無料(要観覧券)

▼ギャラリーツアー&レクチャー(2)
日 時: 9月15日(土) 午後1時─午後2時(第1部)/ 午後2時10分─午後4時(第2部)
内 容:
 第1部 出品作家によるギャラリーツアー(石川亮、宇野君平、岡田修二、西久松吉雄)
 第2部 ゲストによるレクチャー「日本人と自然美学 南方熊楠と曼荼羅より」+ディスカッション
ゲスト:・稲賀繁美(国際日本文化研究センター教授 比較文化・比較交渉史)
参加方法: 要予約、参加費無料(要観覧券)

▼ギャラリーツアー&レクチャー(3)
日 時:  9月23日(日) 午前11時─12時(第1部)/ 午後1時─午後4時(第2部)
内 容:
 第1部 出品作家によるギャラリーツアー(木藤純子、Softpad、馬場晋作、真下武久)
 第2部 ゲストによるレクチャー+ディスカッション テーマ:「自然・アート・知覚」
ゲスト:
・廣瀬浩司(筑波大学准教授 哲学)
・松嶋健(京都大学人文科学研究所研究員 人類学)
・三脇康生(仁愛大学大学院教授 精神医学・美術批評)
参加方法: 要予約、参加費無料(要観覧券)

■レクチャー&コンサート「悉皆成仏(しつかいじょうぶつ)の世界 ─三井寺流声明と琵琶の演奏─」
声明は、仏、菩薩、神々を賛美する歌曲として、僧侶によって詠われはじめ、後に、修業として重視され、声明成仏(悉皆成仏=自然と一体となり仏となる)の方便として盛んに行われるようになった。この旋律は日本音楽の原点となり、今様、平家琵琶、謡曲、浄瑠璃、小唄、浪花節、演歌などに広く影響を与えていることは知られている。日本において『自然学』を考えるとき、この音色を抜いて語ることはできない。
日 時:8月12日(日) 13:00─14:30
会 場:滋賀県立近代美術館 講堂(定員:150名)
協 力:総本山三井寺
進 行:岡田修二・加藤賢治[成安造形大学 附属近江学研究所 研究員]
内 容:
 第1部 ゲストによる基調講演「悉皆成仏の世界 —天台声明と平家琵琶—」
 第2部 琵琶の解説と実演
 第3部 三井寺流声明の解説と公演
ゲスト:木村至宏(成安造形大学附属近江学研究所 所長)
解 説(第2部):小谷昌代(四ノ宮琵琶ひろめびと)
解 説(第3部):福家俊彦(総本山三井寺執事長)
参加方法: 要予約、参加費無料

■ 特別展示
出品作家の木藤純子によるインスタレーション展示。
会 期:8月16日(木)─19日(日)
時 間:午前9時半─午後5時(入館は午後4時半まで)
会 場:滋賀県立近代美術館 ギャラリー
 
■ たいけんびじゅつかん「琵琶湖の微生物をモティーフに、アートしてみよう」
日 時:9月22日(土) 午後1時─午後4時半
会 場:滋賀県立近代美術館 ワークショップルーム
内 容:出品作家の宇野君平によるワークショップ。多様な自然に触れる感動は、美術も科学も同じです。また、このような人類の好奇心は、あらゆる学問の原点です。プランクトンの解説に琵琶湖博物館の楠本泰博士をお迎えして、実際に顕微鏡で覗きながら、造形作品を制作します。このワークショップは、アートとサイエンスのコラボレーションです。
対 象:小中学校全学年とその保護者
申込締切:9月10日(月)必着
協 力:琵琶湖博物館
解 説:琵琶湖博物館 学芸員 楠本泰博士

■ 関連する展覧会企画

「自然学 蕾|SHIZENGAKU TSUBOMI−来るべき美学のために−」展
内 容: 「自然学」のテーマに沿ってセレクトされた成安造形大学在学生・卒業生によるグループ展を同時開催。
会 期: 2012年9月5日(水) ─9月23日(日)
時 間: 12時〜午後6時  会期中無休  入場料無料
会 場: 成安造形大学【キャンパスが美術館】
      〒520-0248 滋賀県大津市仰木の里東4-3-1  TEL:077-574-2111(代表)
      http://www.seian.ac.jp/

 

◆国際シンポジウム、レクチャー&コンサート、トークのお申し込み方法
イベント名・日時・氏名・住所・電話番号を明記のうえ、メール(shizengaku@seian.ac.jp)またはFAX(077-574-2120)にて成安造形大学【キャンパスが美術館】事務局までお申込みください。
 なお、定員が決まっているものに関しては先着順とし、定員になり次第締め切らせていただきます。

 


(図版1)

岡田修二「水辺58」
2010年 174×218cm 油彩・キャンバス

 

 

 

 

 


(図版2)

ジョン・レヴァック・ドリヴァー ポートレート

 

 

 

 

 


(図版3)

木藤純子「Snow Child-Grandmother Cherry Blossom」
2011年 東京都現代美術館(東京) 撮影:新良太